飲食業における0→1の作り方(後編)

飲食業における0→1の作り方(後編)

前編では0→1を作る時の前提の考え方を書かせていただきました。
今回は具体的にどうやって作っていくか?を考えていきます。
(あくまで私見であり、正解とやり方は無数にあると思います)

画像は星野マネージャーがまとめたラーメン事業戦略の一部です。
ラーメン市場の可能性は広いけど、競争が激しいですね。

前提条件を決めよう

まず、0→1を作る時の前提条件を定めます。
今回はトリゼンダイニングとして0→1を作る時の条件です。
前回記事からの抜粋から。
・1業態で5億円の売上を目指す。
・営業利益率10%を目指す。
・500~1000万円の投資で始めれる業態。
・失敗したときにも他業態への転換や撤退がしやすい。
と言ったところでしょうか。

1業態で5億円の売上を目指すには?

どんな業態であれ、1つ店を当てればトントン拍子に行きそうな気もします。
しっかりとした味とサービス、心を込めた接客をして地元に愛される店舗を目指しましょう!というところはもちろんなのですが、ここではあくまで考え方として。
前回の会議では、6w1hで考えてみましょう、という話をしました(whichは省略)。
Who(誰が)・・・事業部長?若手?女性?誰が事業を立ち上げるか
Why(なぜ)・・・業態立ち上げをなぜ行うか?
When(いつ)・・・オープンするタイミングはいつか?
Where(どこで)・・・福岡?東京や大阪?福岡なら市内?郊外?
What(何を)・・・どんな商材を扱うか?
How(どのように)・・・調理方法や提供方法など無数にありますね。

仮定の話、高橋くんに登場してもらいましょう

29歳くらい(?)で奥さんと子供もいて、飲食歴・トリゼン歴も長いですね。
将来の独立も考えてはいるけど、目の前は現実的に詰めてはいない。こんな状況とします。
貯金額は知りません。笑

Who(誰が)・・・高橋くんが
Why(なぜ)・・・成功に導いた新業態を将来的にはのれん分けして社長になる
When(いつ)・・・店舗のオープンは1年以内、そこから5年で5億円まで増やす。
Where(どこで)・・・1店舗から3店舗目は福岡市内で考えている。4店舗目以降はチャンスのある場所で。

ここまでは、なんとなくイメージ湧きますね!
(自分も書きながら考えてますので、流れは適当です。笑)

問題は、What(何を)、How(どのように)やるか!シンプルなようで、難しいですね~。

マーケット(what=何屋さんをやるか)の分類

マーケットを選択するには色々なやり方があると思います。
(0→1を作るという前提なので、華味鳥のブランドは使いません。)

以前、通販での攻め方をまとめた記事があるので、こちらも参考に。
ブランド開発とか商品開発とか

以下、飲食での大枠の分類と、例えば出店するなら。
【①原料や素材軸系】(塚田農場など)
 ・にわとり屋さんなので、にわとりを使った料理をやる。
 ・こだわった牛肉・豚肉・馬肉などが手に入るのであれば、それを軸に考える。
 ・うなぎ原料を使って、ウナギ居酒屋をやる。

【②地域軸系】(串カツ田中、コメダコーヒー、銀だこなど)
 ・博多名物の、もつ鍋、豚骨ラーメン、うどん、天ぷら、焼き鳥などの専門店をやる。
 ・「博多料理」や「九州料理」をテーマにした居酒屋をやる。
 ・炊き餃子なんか、うまくやってるなぁ~と思います。

【③厳選しましたよ系】(磯丸水産など)
 ・「海鮮居酒屋!」みたいな感じにして、日々こだわったメニューを出す。
 ・あと、思いつかないな。。笑

【④既存マーケットから考える】(吉野家からの松屋とか、マクドナルドからのモスとか)
 ・ハンバーガーとか、焼肉とか、ラーメンとか、既存のマーケットから商材を選ぶ。
 ・東京や大阪で流行っているものを福岡などの地方に持ち込むのもあり。

【⑤コンセプトやテーマ性レストラン】(ロックアップとか、アラビアンロックとか)
 ・山笠の世界観を表現したレストラン。店員はお尻丸出し。
 ・回転寿司ならぬ、回転鍋(これ中国ではかなりポピュラー)。

料亭博多華味鳥で言えば、【①原料や素材軸】と【②地域軸】の組み合わせですね。
自社で育成しているこだわった鶏肉を使った郷土料理を全国に届ける。
結果論かもしれませんが、お客さんに訴求しやすいモデルだったのが成功の秘訣だったと思いますね!

マーケット(what=何屋さんをやるか)の選択

じゃあ、高橋君はどうしましょうか?
会社としての方向性は別にして、将来はのれん分けを考えています。

ここでの重要なポイントは「自分が好きで入れ込めるもの」だと思います。
もしくは「マーケットを見てチャンスがあるもの」です。

高橋君の好き嫌いは知りませんので、ここは「マーケットを見てチャンスがあるもの」としましょうか。
お酒が好きなのは知ってるので、夜業態に限定してみます。

原料軸、地域軸、マーケット軸からも考えると
【原料軸】・・・とり焼肉(鶏ん家)、から揚げ酒場、ジビエ酒場
【地域軸】・・・もつ鍋、博多料理の居酒屋
【原料軸×地域軸】・・・焼き鳥
【マーケット軸】・・・中華酒場とか?おでん酒場とか?カジュアルイタリアンとか?
色々と選択肢の方向性が見えてきました。
ここまで書いてきて、今思ってるのは、「焼き鳥華味鳥」って、一番ポテンシャルあるんじゃない?ということです。笑

実際に出店を考える(how=どのようにやるか)

【原料軸】や【地域軸】から考えると進めやすいですね!
イメージも湧いてきます。

ただ、今回は0→1を作るということなので、【マーケット軸】から考えましょう。
となると、まずは東京・大阪・福岡問わず広がっている市場、ウケてる業態の勉強がとてもとても大事です。

台北餃子 張記
この前、崎田さんに教えてもらいました。
おしゃれだし、入りやすいし、女性ウケもよさそうですよね。

これを参考にしてるかどうかは分かりませんが、イメージ湧くのが
餃子屋 弐ノ弐」とか、「焼売酒場いしい」ですかね。
本場から乗り込んできました!という訳ではないけど、流行っています。

新規創造の難しさ

結論、流行っている業態を参考にしましょう(×パクりましょう)ということです。
全く新しいものを0から生み出すというのは、並大抵のセンスではできません。

飲食店は全国で150万件くらいあるそうです。
流行っている店舗もあれば、閑古鳥が鳴いてる店舗もあります。

その中から、人気がある店舗は、どの業態でなぜ流行っているのか、それを自分が出店を考えてる場所で受け入れてもらうにはどうしたらいいか。徹底的に調査をして、まずはそこに負けないような味とサービスを提供できるようにする。
そこがスタートで、どうアレンジするかが勝負どころです。

それが「【マーケット軸】で戦う」ということです。
相当難しいですが、これができる人材を増やすことが会社の財産になり、個人として独立した時に成功する布石となります。

ということで、高橋君は徹底的にライバル調査から始めることです!

「ローマは一日にして成らず」
大変な道のりかもしれませんが、BtoCで戦うプロフェッショナル集団を目指して頑張ろう!
自分も業態考える!笑

かなり流れで書いてるので、散文失礼。
また落ち着いたらまとめてみます。

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